オンライン×オンライン01

(おんらいんおんらいん)

 

 

IEでの表示を基本にしています。

少し見にくいなぁ、と思ったら別のブラウザを試してみると吉。

<本編>
Aパート】【Bパート】【Cパート】【Dパート】【Eパート】【Fパート】

<各種解説>

 

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_____________________以下台本の説明+キャラ説明_______________________

 

<台本説明>

 

オンライン×オンラインはMMOARPG『ユートピアオンライン』

(Massively Multiplayer Online Action Role Playing Game)

の上で行われているキャラクター同士の交流等を演じる台本です。

キャラクターには、パソコンの前で操作している人間が居ます。

 

●表記ルール

「」     台詞です。

・マークなし  チャットに打ち込んで、全員に見える発言。

S=セルフ  パソコンの前で声を出しているが、全体には伝わらない。

M=マインド 心の声。思考の類を表す。
・名前の横に(回想) 回想の台詞を示します。突然の出番とかあるので、気をつけて。

 

【】に囲まれているのはスキルです。技です。魔法です。かっこよくキメて下さい。

  基本的に!などはついていませんがシャウトで決めてもクールにしてもOK

  叫ぶと正解な場合が多いで。

  どのようなスキルかは、ページ最下部に簡単な説明を載せてあります。

 

<キャラ説明>

 

ジェイド(男性 少年声 ナイト)

 

内に闘志を燃やす熱血タイプ。

装備武器は片手剣+シールド。

クラン『コマンドー』に所属。

ヘイト(後記)とコンビを組んで上級プレイヤーに挑む野良PVPを行っている。

【立ち位置】

     ぶっちゃけ、主人公。

     ヘイトとの対比。
ヘイト(クール)に対して熱くなれるよう。
キャップをつけてお互いのキャラを立たせるように。

     ヒメリとの関係
軽口を言い合うぐらいには打ち解けた関係。

 

 

ヘイト(男性 青年声 アサシン)

 

クールなキャラクター。しかし砕けた所も多く見せる。

クラン『コマンドー』に所属。

両手にナイフを装備している。

ジェイドとコンビを組んで上級プレイヤーに挑む野良PVPを行っている。

【立ち位置】

     なんと、サブ主人公。

     ジェイドとの対比。
ジェイド(熱血)に対してクールに決める。
ギャップをつけてお互いのキャラを立たせるように。

     正宗の言葉に対して。
ジェイドに見える部分の発言では全然気にしてない振る舞い。
『コイツ、ギルド辞めるな。』と思わせないようにしよう!

 

 

ヒメリ(女性 少女声 ウィザード)

 

元気な女の子。

クランは無所属。

魔法の杖を装備。ツインテール。

ジェイドのフレンド。

ジェイドとはそれなりに付き合いが長い。

ジェイドのプレイヤーキルをあまり快く思っていない。

【立ち居地】

     堂々のヒロイン。

     ジェイドに対して。
軽口を言い合うぐらいには打ち解けた関係。
でもちょっと気がかり。問題児ほど気になっちゃうアレ。
こう、言い出したいけど言い出せないもどかしい思い。
そんなのが表現できて、かつ元気な娘が表現できると◎。

 

 

正宗(男性 おじさま声 ブレイブナイト)

 

落ち着き払ったおじ様。騎士の威厳的なモノが伝わってくる。

クランは無所属。

長槍を装備。

今回、ジェイドとヘイトのコンビに野良PVPを仕掛けられる。

【立ち位置】

     まさかのチョイ役

     しかしながら、楽しく圧倒的な力を見せ付ける事が出来る役。
思いっきりぶちかませ!しかも余裕しゃくしゃくで!
強者の威厳を表現して欲しいキャラ。自信満々。

 

 

メイトリクス(女性 お姉さん声 アサルト)

 

普段は普通にしている、むしろ出来る女って感じ。

しかしながら戦闘狂っぽい。

ボウガンを装備。

クラン『コマンドー』の首領

目的のためには手段を選ばない。本人はメチャ強い。

【立ち居地】

     やっぱりチョイ役

     カッコいい。ヘイトとジェイドの初代憧れのプレイヤー

     来るもの拒まず、去るもの追わず。

     正宗と少なからず交流がある感じ。
むしろ昔色々あったんだろうなぁ。

     ネーミングの元ネタは映画「コマンドー」とその主人公。何が始まるんです?

 

 

陽善 読み:ようぜん(女性 少女声 アーチャー)

 

お喋りでお調子物。ちょっとイラっとしそうな喋り方。

クラン『青色ウェーブ』に所属。

今回使わないけど弓を装備。髪は左右に二つお団子にしてる。

今回は『コマンドー』の話をするだけの簡単なお仕事。

【立ち居地】

     話をするだけの簡単なお仕事。

     チョイ役中のチョイ役。

     ゴメン、この子だけ戦闘シーンが無いんだ。

     話を聞いたヒメリちゃんが、ちょっと嫌やな気持ちになるように。

     正宗さんを親分扱いしてくだしあ。

     台詞に《デス》が入ってると調子乗ってる。
普通に「ですよ」とか言ってるとちょっとマジ。

     「オンライン=オンライン」のヘイト君から主人公成分を抜いて役割を分離したのが彼女。

     名前の由来は封神演義のヨウゼンから音を頂いた。

 

 

 

システムボイス♂♀

 

ゲーム本体からのシステムメッセージです。

フィールドの説明から死亡の通達まで何でもやります。

悲しいお知らせからどうでもいいお知らせまで、お任せ!!

【立ち居地】

     縁の下の力持ち。

     でも、この台本には無くてはならない存在です。

     感情の有無、読み方は自由です。
生の声でナビゲートされるってゆうのもあり。
王道をゆき機械的な音声を目指すのも、また正解です。

 

 

★本編の後

用語解説とスキル解説があるよ!

困ったら読んでね!!

 

 

__________________________ココまで説明________________________

 

配役表

 

配役表7人(♂:3 ♀:3 不問:1)

ジェイド♂:

ヘイト♂:

ヒメリ♀:

正宗♂:

メイトリクス♀:

陽善♀:

システムボイス♂♀:

 

 

陽善被り型6人

配役表(♂:3 ♀:3)

ジェイド♂:

ヘイト♂:

ヒメリ♀:

正宗♂:

メイトリクス♀:

陽善&システムボイス♀:

 

男性が多くて女性が足りないときはメイトリクスを男に回してもイケます。

逆の場合は正宗を女性に当てない限り何とかなると思います。

 

______________________________本編_____________________________

<本編>

Aパート】

 

システム

「サーバーに接続しました。
使用キャラクターを選択してください」

 

ヘイト

S「行くぞ、ヘイト」

 

システム

「公式トーナメントへのエントリーを確認しました。

ようこそ、ヘイトさん。

 ユートピアオンラインの世界へ」

 

システム

「特設フィールド、円形闘技場」

 

メイトリクス

「初戦の相手は君か。

 よろしく頼む」

 

ヘイト

「こちらこそ、よろしく」

 

メイトリクス

「いい勝負をしよう」

 

ヘイト

「もちろん」

 

ジェイド

M「相手に声をかける余裕、見たことが無い武器。
このメイトリクスというプレイヤーは自分より格上だ」

 

システム

「公式定期トーナメント予選第31試合。
 メイトリクス 対 ヘイト 開始まで30秒」

 

ヘイト

S「いつもどおり、いつもどおりだ・・・・・・。

  いけるな?」

 

ヘイト

M「相手の武器はボウガン。遠距離物理型。
  距離を詰める事が出来れば、あるいは」

 

システム

「試合を開始します。

 レディ、ゴー」

 

メイトリクス

「【ショットアロー】」

 

ジェイド

「【シャープパリィ】」

 

メイトリクス

S「ふぅん……」

 

メイトリクス

「【ツインショットアロー】」

 

ヘイト

M「このタイミングなら、ステップで!」

 

メイトリクス

M「タイミングの読みづらい初撃の防御をスキルに任せる。

  その後の攻撃は自力で避ける……か。

  堅実でいい判断だね」

 

ヘイト

M「とりあえず、いつも通りやれば避けられる。
  時機さえ間違えなければやれる!」

 

メイトリクス

M「だが、堅実なプレイヤーはいくらでも見てきた」

 

メイトリクス

「【トリストライクショット】」

 

ヘイト

S「ちっ!」

 

ヘイト

M「まだだ、まだタイミングじゃない」

 

メイトリクス

S「からのぉ!」

 

メイトリクス

「【エアショット】」

 

ヘイト

S「なっ!?」

 

ヘイト

M「 矢を射ち上げた!?
着弾地点指定型のスキルか!

  ピンポイントで当てる積り……いや、偏差で?

  それともブラフか?」

 

メイトリクス

「【ショットアロー】」

 

ヘイト

「【シャープパリィ】」

 

ヘイト

M「考えても詮無き事!」

 

ヘイト

S「いけっ!」

 

ヘイト

「【ダッシュスラッシュ】」

 

メイトリクス

「【バックステップ】」

 

ヘイト

M「流石に避けたかっ……!
さりとて、ここまで距離を詰めれば!」

 

メイトリクス

「頭上に注意、だ」

 

ヘイト

M「戦闘中にチャット?」

 

ヘイト

S「なっ!?」

 

メイトリクス

M「わざわざエアショットの爆撃地点に入って来てくれてありがとう」

 

ヘイト

M「まさか……突進攻撃の到達地点を誘導して……。
その座標をターゲットにしていた!?」

 

メイトリクス

「【トリストライクショット】」

 

 

システム

「試合終了。
 勝者メイトリクス」

 

Bパート】

 

 

システム

「騎士の街アバンステルダム」

 

ジェイド

M「ふっと、今日も頑張るかなぁ」

 

ヒメリ

「ジェーイドっ!」

 

ジェイド

「おおう、ヒメリか。

 こんばんー」

 

ヒメリ

「挨拶なんていいからっ。

 狩りにいこうぜぇ!」

 

ジェイド

「すまん、今日は先約が入ってるんだわ」

 

ヒメリ

「そんなのさっさとキャンセルして!

 『デウスの隠し通路ダンジョン』に再挑戦するんだから」

 

ジェイド

「適正レベルより上じゃんよ、アレ……。デスぺナ喰らいまくったばっかじゃん?」

 

ヒメリ 

「いーの、いーの。最後まで到達できなくてもイイじゃん!
せっかく運営ちゃんが仕事して実装くれたんだから、楽しまなくっちゃダメでしょ!」

 

ジェイド

「いやー、うん。ソロで行け、ソロで……。」

 

ヒメリ 

「ナイト様が、か弱くもカワユイこのウィズを見殺しにするのですか?
 ・・・・・・公式の掲示板に名指しである事ない事書き込んじゃいますよ?」

 

ジェイド

「ちょ、お前!脅しかよ!!」

 

ヒメリ 

「脅して何が悪い!」

 

ジェイド

「色々悪いわ!!
 てか、手段が悪質すぎるだろ」

 

ヒメリ

「思いもよらない手段を思いつく頭脳と、それを実行し得るのでは無いかと思わせる手腕。
 それをあわせ持った私は神かしら?それとも天使?
 いいえ、女神ね。かの美をつかさどるビィーナスにも引けをとらないわ!
 やだ照れるじゃない!」

 

ジェイド

「さっさと帰ってこーい?

 この妄想電波女。」

 

ヒメリ

「ったく、折角このヒメリちゃんが誘ってあげているのに。

 断るってわけ?」

 

ジェイド

「ああ、すまないな。

 ギルドの絡みで前から約束していたから」

 

ヒメリ

「先約って、やっぱプレイヤーヴァーサス?」

 

ジェイド

「ああ、先輩と待ち合わせしてる」

 

ヒメリ

「何でPVばっかするのさー。

 強くなるんだったら別にモンスター狩るだけでいいじゃない?」

 

ジェイド

「違うんだよ、対人とモンスター戦は。

 全然な。

 強くなるには実戦を経験するのが一番なんだって」

 

ヒメリ

「ふーん……良くわかんないけど。

 じゃあジェイドは対人戦強いんだ?」

 

ジェイド

「結構経験積んで来たから……多分強い?」

 

ヒメリ

「じゃあー……今度私と戦ってよ!」

 

ジェイド

「いいぜ、また今度な。

 待ち合わせがあるからもう行くぜ」

 

ヒメリ

 「いってらー」

 

ジェイドの姿が街の中に消えてゆく。

 

ヒメリ

S「・・・・・・行くなよ、バカジェイド」

 

ヒメリ

M「ジェイドとは、初心者ダンジョン以来の付き合いだ。何気なくフレンド登録を交換し、今日まで楽しくプレイしている。
でも、ある時期を境に・・・・・・彼がギルドに入ってからは中々一緒に遊べていない。
それに、最近彼のギルドのよくない話が・・・・・・」

 

Cパート】

 

陽善 

「正宗さん聞きましたぁ?

またPKがあったらしいデスよぉー?
 最近は怖いデスねぇー」

 

正宗

「陽善か。

ああ、それなら知っておる。
また『コマンドー』の奴がやらかしたのであろう?」

 

ヒメリ

M「あ……『コマンドー』。……ジェイドのギルド」

 

陽善

「なんかぁー。
 二人掛りとかでハイレベルプレーヤーをボコちゃうんデスって!

 怖いデスねぇ。卑怯デスよねぇ。PKとか許すまじって感じデスよねぇ」

 

正宗

「初心者をターゲットにしない辺り、良くあるPKとは違うみたいだが」

 

陽善

「そーみたいですけど。

 でも気をつけてくださいよ?

 正宗サンもハイレベルプレーヤーなんデスからぁ」

 

正宗

「なあに、その程度の輩なら返り討ちにしてくれる」

 

陽善

「そんな事言わないで気をつけて下さいよぉ?

 正宗サンが『コマンドー』にボコられるなんて・・・・・・想像しただけでご飯三杯いけちゃうんデスから!」

 

正宗

「陽善……お前は。心配しているのか?」

 

陽善

「なに言ってるんデスかぁ!

 心配してるに決まってるじゃないデスか?」

 

正宗

「ナゼ疑問符なのだ?」

 

陽善

「やだなぁ、細かいトコロなんて気にしちゃダメッスよぉ!

 でも、ホント気をつけてくださいよ?

 ステータスが幾ら高くても、不意打ちからの連続攻撃が決まればヤバイんですから。

 それでもう、何人も被害にあってるんデス」

 

正宗

「システム上は、まあそうだな。

 しかし、私は私がそう簡単にやられるとは思わないよ」

 

陽善

「正宗サン……。

 ワタシの話聞いてたんデスか?」

 

正宗

「聞いてたさ、もちろんな」

 

陽善

「極悪非道なんですから!

 きっと強いプレイヤーをボコって嬲って楽しんでるだけなんですよ。  (嬲る なぶる

 そんな悪い奴に負けちゃ嫌ですよ?」

 

正宗

「分った、分ったよ」

 

ヒメリ

M「こんな言われ方……無いわよっ……」

 

システム

「ヒメリさんがログアウトしました」

 

Dパート】

 

 

システム  

「『ローレンス』東フィールド、第四区画」

 

正宗

M「陽善め、あの話をして直ぐこれか。

  奴は、予知能力か何かを持っているんじゃないのか?」

 

ヘイト

「【ダッシュスラッシュ】」

 

ジェイド

「【シールドチャージング】」

 

正宗

「【タービュランス】」

 

正宗

S「その程度の突進で、我が槍の領域は越えられぬ!

  なーんてな」

 

ジェイド

M「つ……強い。
  これまでの相手と全然違う!」

 

ヘイト

M「これは敵わない……。

  退くか?」

 

ジェイド

M「そうだ、こうゆう強い相手から強さを学ぶんだ!!」

 

ジェイド

「【カラミティ・ラッシュ】」

 

正宗

M「その意気やよし!

だが!」

 

正宗

「【サウザン・ピアース】」

 

システム

「ジェイドさんが、戦闘不能になりました」

 

ヘイト

M「くそ……ジェイドがやられた!?」

 

正宗

「【スピアストライク】」

 

ヘイト

「【クロッシングガード】」

 

正宗

「【スピアストライク】」

 

ヘイト

M「は、早い!?」

 

正宗

「【サウザン・ピアース】」

 

システム

「ヘイトさんが、戦闘不能になりました」

 

正宗

「っと、まあこんなものだ。

 『コマンドー』の坊主ども」

 

ヘイト

M「不意打ちをかけて、二人掛りで……完敗か」

 

正宗

「モンスターを狩って楽しむように、オレを狩ろうとしてたのか分らぬ。
 が、そうは行かなかったな。
 違うのだ、モンスターとプレイヤーはな」

 

ヘイト

M「そんな事……知っている」

 

正宗

M「……ふ。メイトリクスにも困ったものだ」

 

正宗

「そこのところを、自分の胸に手を当ててよく考えてみることだ。

 オレは行く」

 

ジェイド

「ヘイト先輩……」

 

ヘイト

「なんだ……ジェイド」

 

ジェイド

「俺達、コレ続けて強くなるんすかねぇ?」

 

ヘイト

「……正宗という男の言った事が気になるのか?」

 

ジェイド

「あ……はい。

 ぶっちゃけ言うと」

 

ヘイト

「……マスター。

 うちのマスター、メイトリクスは強い。

 そのメイトリクスが言う方法を実戦して、強くならないハズが無い」

 

ジェイド

「コンビ組んだときに言ってた台詞と一緒だ」

 

ヘイト

「俺は、あの時と変わらない。

 強くなる。メイトリクスに勝つ」

 

ジェイド

「……今日は解散でいいっすか?」

 

ヘイト

「あぁ、構わない」

 

ジェイド

「じゃあ、落ちます。
 乙です」

 

システム

「ジェイドさんがログアウトしました」

 

 

Eパート】

 

 

システム

「騎士の街アバンステルダム」

 

ジェイド

「なんだ、今日もアレか?デウスの隠し通路ダンジョンか?」

 

ヒメリ

「違う」

 

ジェイド

「……じゃあ、なんだよ」

 

ヒメリ

「クランの活動、楽しい?」

 

ジェイド

「……そりゃ……楽しいさ。楽しくなきゃ……やらねぇモン」

 

ヒメリ 

「そう……」

 

ジェイド

「なんか、変だぞ?どうした、なんかリアルであったか?」

 

ヒメリ

「無いよ、リアでなんか問題があったわけじゃないの」

 

ジェイド

「ん。

でも何か違うぞ?お前」

 

ヒメリ

「……私と勝負して」

 

ジェイド「勝負って、PVか?」

 

ヒメリ

「うん。

 言ったじゃない、今度戦ってって」

 

ジェイド

「あぁ、そういえばそうゆう約束もしたな」

 

ヒメリ

「私が勝ったら、クラン辞めなさい」

 

ジェイド

「おまっ……。そんな、いきなり……何を」

 

ヒメリ
「私が可愛くて我侭なのは、今に始まった事じゃないでしょ?」

 

ジェイド

「そりゃ、そうかもしれないけど。

いきなり何で……。

クラン決まったって、入れてもらえたとき。お前、喜んでくれたじゃんか!」

 

ヒメリ
「……聞いたの、貴方のギルドの事」

 

ジェイド
「……それは。」

 

ヒメリ

PVって言ってたけど……もうPKと変わりないじゃん!」

 

ジェイド

「……」

 

ヒメリ
「強くなりたいって事なのかも知れないけど、酷い言われ方してた。
 私は、我侭だから。
 私の友達がそんな事してるの許せない!
 ジェイドが悪く言われてるのが許せない!!」

 

ジェイド
「ヒメリ……」

 

ヒメリ
「だから、正すの。私が」

 

ジェイド
「……わかった、受ける」

 

ヒメリ
「うん」

 

ジェイド
「手加減無しだ」

 

ヒメリ
「のぞむ所よ」

 

システム

「ヒメリさんが、決闘を申し込みました」

 

システム

「了承されました。
決闘場へと転送します」

 

二人のキャラクターが円形闘技場に降り立つ。

 

システム

「決闘を開始します。

 レディ、ゴー」

 

ジェイド
M「詠唱させたらマズイな、速攻でいく!」

 

ヒメリ
「【マジックショット】」

 

スキルの宣言と共に詠唱が始まる。

 

ジェイド
M「発動の早い基礎呪文か、だけど……その程度じゃ!」

 

ジェイド

「【マジックパリィ】」

 

ヒメリ 
M「弾かれた?!」

 

ジェイド

M「詠唱を見せている瞬間で反応できる!」

 

ジェイド

「【シールドチャージング】」

 

ヒメリ 

S「きゃっ!」

 

ジェイド

M「もう、ナイトの間合いだ」

 

ヒメリ

M「そんな!

  もうこんなに距離を詰められたの!?」

 

ヒメリ

「【ウィンブラスト】」

 

ジェイド

「【ストライク】」

 

ヒメリ

M「詠唱が全然追いつかないじゃない?!

  このままじゃ……!」

 

ジェイド
M「魔法遠隔タイプは、初撃さえ押さえてしまえばどうとでもなる。

  ヘイト先輩と練習したパターンに嵌めればっ!」

 

正宗(回想)

「モンスターを狩って楽しむように、オレを狩ろうとしてたのか分らぬ。
 が、そうは行かなかったな。
 違うのだ、モンスターとプレイヤーはな」

 

ジェイド

M「パターンに嵌めて、攻略って……。

  俺は、モンスターと同じように……ヒメリを?」

 

ジェイド(回想)

「違うんだよ、対人とモンスター戦は。

 全然な。

 強くなるには実戦を経験するのが一番なんだって」

 

ヒメリ(回想)

「ふーん・・・・・・良くわかんないけど。

 じゃあジェイドは対人戦強いんだ?」

 

ジェイド

M「違う……同じじゃないか。

  俺がやってたのは、対人戦なんかじゃない。

  全然、人と戦って無かったじゃないか!!」

 

ヒメリ

「【ウィンブラスト】」

 

ジェイド

M「やられたっ!

ダメージは?少ないな。
……吹き飛ばし属性、距離が離れたみたいだ」

 

ヒメリ
「【セラミックバインド】」

 

ジェイド

M「な、消費アイテム!拘束された!?」

 

ジェイド

「……なんでこんな高価なものを」

 

ヒメリ

「何でも使うよ、勝つためには!」

 

ジェイド

「たかが……PVなのに……」

 

ヒメリ

「ジェイドの為だよ」

 

ジェイド

M「……ああ、コイツは。

  プレイヤーだ。

  画面の向こうには、人間がいるんだな……」

 

ヒメリ

「【インフェルノ】」

 

システム

「決闘の決着がつきました。

通常フィールドに転送します」

 

ジェイド
「負け……だわ。」

 

ヒメリ
「へへん、私のかちぃー」

 

ジェイド
「なんか、もう……色々敵わないよ、お前には」

 

ヒメリ
「そりゃもう、ヒメリ様は、超完璧で超プリティーだからね」

 

ジェイド
「約束だ、クラン抜けるよ」

 

ヒメリ
「うん」

 

ジェイド
「……俺さ、クラン入ったときにさ、お前が『よかったじゃん!仲間が増えて!!』って喜んでくれたのが嬉しかった」

 

ヒメリ
「……うん」

 

ジェイド

「それにさ、入ったばっかだし、クラン……抜けにくくって、さ。」

 

ヒメリ

「そう、だったんだ……」

 

ジェイド

「すんげぇすっきりしたわ。あんがと」

 

ヒメリ

「ん、どういたしまして♪」

 

ジェイド

「あと」

 

ヒメリ

「なに?」

 

ジェイド

「なんか、不甲斐ない奴だけどさ。また、俺と一緒してくれよな」

 

ヒメリ

「もちろんよ♪」

 

Fパート】

 

 

システム

「『コマンドー』クランホーム」

 

メイトリクス

「そうか……やめるか」

 

ヘイト

「はい」

 

メイトリクス

「何があったかは知らないが、何かあったのだろう。

 それは聞かん、好きにするといい」

 

ヘイト

「そうさせていただきますよ」

 

ヘイト

「マスター。

 いや、メイトリクス」

 

メイトリクス

「なんだ、ヘイト」

 

ヘイト

「必ず、いつか貴方を一対一で倒す」

 

メイトリクス

「それはそれは……楽しみに待っているよ」

 

ヘイト

「では、失礼します。

 お世話になりました」

 

メイトリクス

「あぁ」

 

システム

「ヘイトさんがクランを脱退しました」

 

メイトリクス

M「二人減ったか。

  ここも少し寂しくなるかな」

 

メイトリクス

「……。

珍しい来客だな」

 

正宗

「相変わらずのようだの。

 メイトリクス」

 

メイトリクス

「正宗」

 

陽善

「私も居るんデスよぉ」

 

メイトリクス

「なんだい?ソレ」

 

陽善

「ソレとは失礼なっ!

 私には陽善という立派かつカッコカワイイ名前がっ!」

 

正宗

「私の連れだよ。

 『コマンドー』に行くと言ったらついて行くと言って聞かんのでな」

 

メイトリクス

「なんだ、オマケか」

 

陽善

「ムムムっ!」

 

正宗

「どうだ?楽しくやっているか?」

 

メイトリクス

「……読めたぞ、正宗。

 今回のきっかけはお前か」

 

正宗

「なら、お前はどうするのだ?」

 

メイトリクス

「どうもしないさ」

 

正宗

「……ふぅ。

 全くお前は。

 なんだってあの坊主達にあんな事やらせたのだ?」

 

メイトリクス

「それは、強くなる方法を教えてやっただけだよ」

 

正宗

「本気で言っておるのか?」

 

メイトリクス

「本気だよ?

 私は考える。

 これがゲームである限り、強さの根源は楽しさだ」

 

正宗

「そこは、相違ない。

 オレも同意見だ」

 

陽善

「な、なにやら真剣な雰囲気ですね……」

 

メイトリクス

「そして、これはオンラインゲームだ。

 ただのゲームじゃない。

 人と人の交流こそ醍醐味だろう?」

 

正宗

「ほう……」

 

メイトリクス

「一人でゲームするのはつまらないだろう?

 人と人が繋がってこそ、そこにオンラインゲームの真の楽しみが生まれる。

 そう、その繋がりが例え負の繋がりであっても」

 

正宗

「……」

 

陽善

「なっ、まさか」

 

メイトリクス

「アイツに負けた!

 アイツにやられた!仕返しをしたい!

 悔しい、何度でも挑んでやる!!

 ほら、立派な人の輪じゃないか。

 遊び相手に困らないよ」

 

正宗

「……まったく、お前はそれでいいのかもしれんが」

 

陽善

「フツーじゃ無いデスね」

 

メイトリクス

「フツーか、そうじゃないかなんて関係ないじゃないか。

ああ、私はお陰で暇をしていないな。

 PKクランのボスを倒すんだ!

 なんて意気込んだ勇者様が毎日相手してくれる。

 選び放題の食べ放題さ。

 負けもするし、勝ちもする。

 非常にいい感じだよ」

 

正宗

「捻くれた楽しみ方をしおる」

 

陽善

「エー。

 ワタシには、狂っているとシカ思えないデスよ」

 

メイトリクス

「で、正宗。

 キミも私と遊んでいってくれるんだよね?」

 

陽善

「完全にスルー、デスか……」

 

正宗

「……ふ。

 『コマンドー』の名を見てお前を思い出した。

 少し遊んでやるか、と。

 思わなかった訳ではない」

 

メイトリクス

「嬉しいよ、そして楽しい。

 ワクワクしている。

 さぁ」

 

システム

「メイトリクスさんが、決闘を申し込みました」

 

陽善

「正宗サン。

 ファイトデス!

 骨は拾ってあげマスからっ!」

 

システム

「了承されました。
決闘場へと転送します」

 

メイトリクス

「いい勝負をしよう」

 

正宗

「無論だ」

 

システム

「決闘を開始します。

 レディ、ゴー」

 

 

おしまい。

 

---------------------用語解説集---------------------

 

アバター:自分の分身となるキャラクター

 

デスぺナ:デスペナルティの事

 

ウィズ:ウィザードの略

 

PK:プレイヤーキルのこと、読みは「ピーケー」

 

PV:プレイヤーヴァーサス、読みは「ピーブイ」

 

吹き飛ばし属性:この属性を持つ攻撃がヒットすると、大きく距離を離されるというもの。

        つまり、吹き飛ばされる。そう、吹き飛ばされる。

 

クランホーム:クランの拠点。でも関係無い人も出入りできるみたい。

 

---------------------スキル解説集---------------------

登場順

【ショットアロー】矢を打つショット!しゅばー!

【シャープパリィ】物理遠距離攻撃を一度だけ無効化できる。効果持続一秒。クールタイム30秒。

【ツインショットアロー】矢を2連続で打つショット!しゅしゅばー!

【トリストライクショット】矢を3本同時に打つショット!スパパパーン!

【エアショット】着弾地点を指定して上空に矢を放つショット!きゅぴーん!6秒後ぐらいに着弾。当てづらい代わりに威力が高い。

【ダッシュスラッシュ】突進攻撃。対象との距離を一気に詰めて切りつける。

【シールドチャージング】突進攻撃。体重を乗せてシールドからぶつかってゆく。

【タービュランス】槍を大回転!大回転!大回転!!

【カラミティ・ラッシュ】なんか凄い連続攻撃だぞ!

【サウザン・ピアース】目にも止まらぬ連続突き。

【スピアストライク】槍の大振りで強打するぞ。

【クロッシングガード】物理近距離攻撃を一度だけ無効化できる。効果持続一秒。クールタイム30秒。

【マジックショット】なんかこう、魔力の塊っぽいものをビャーってぶつける攻撃。

【マジックパリィ】魔法遠距離攻撃を一度だけ無効化できる。効果持続一秒。クールタイム30秒。

【ウィンブラスト】スキル発動者を中心に強力な風を起こし、範囲内の対象を吹き飛ばす。

【ストライク】手持ちの武器で強打する。

【セラミックバインド】スキルではない。アイテム『セラミックバインド』を消費して対象を拘束する。

【インフェルノ】発動すると、目標地点にすげぇ爆発が起きる。すげぇ。

 

我ながら適当だなぁ……。

 

 

 

私的な更新履歴。

 

完成。

台詞以外の文を撤去。

三点リーダの統一。

誤字訂正一回目。

キャラ説明加筆。

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